b型肝炎に有効的とされている薬物治療

b型肝炎は、HBVというb型肝炎ウィルスによって起こる深刻な肝臓の病気です。b型肝炎には、成人してから初めてHBVウィルスに感染して発病する急性b型肝炎と母子感染などHBVに持続的に感染しているHBVキャリアと呼ばれている人が発病している慢性b型肝炎の2つが存在しています。

人間の臓器の中でも予備能力の高い肝臓は、発病しても自覚症状が現れにくいので注意が必要です。

そもそも肝臓の働きとは

肝臓は、糖質やタンパク質、ビタミンといった栄養分を作り、それを貯蔵して代謝をアップさせ、血液中のホルモンや毒物といった不要物などの代謝と解毒をする働きがあります。さらに、怪我などで出血を止めるためのタンパクの合成や、ウィルスや細菌などが体内に入った場合の感染を予防する作用もあるため、人間が生きていくための大切な役割のある臓器です。

b型肝炎とはどんな病気なのか?

b型肝炎は、B型肝炎ウイルスであるHBVの感染によって発病する急性と慢性の2つの種類がある病気で、慢性の場合にはそのまま放置しておくと、肝硬変や肝ガンに進行してしまう場合もあるので、大変に注意が必要な病気でもあります。

どのくらいの人がb型肝炎に感染しているのか?

b型肝炎ウィルスは、世界中に幅広く分布していて、全世界では約3億5,000万人、そのうち日本では約130万人から150万人が感染しているため、100人に1人が感染していると言われています。b型肝炎感染者は、東南アジアやアフリカでは人口の8%を上回る国や、日本をはじめヨーロッパや北米など感染者が人口の2%以下の国もあり、感染者に大きな地域差があるのも特徴です。

b型肝炎にどうしてかかってしまうのか?

b型肝炎は、HBVウィルスが含まれている血液や体液が体内に入ることで感染してしまいます。そのため、かつては輸血による感染がありましたが、国内で輸血に使われている血液はすべてHBVの検査を行なっているため、輸血による感染の報告は若干あるもののほとんどない状態となっています。

注射針や注射器の共有なども感染する原因ですが、現在では使い捨てとなっているので心配はいりません。一般的にはHBVに感染している母親から産まれた場合の母子感染ですが、産まれてからでも同様にHBVウィルスを含んだ血液などが傷口などから体内に侵入することでも感染します。

大人の感染は、HBVに感染したパートナーとの性交渉の際に起きることがほとんどで、感染者と握手、食事や入浴では感染しないことを知っておきましょう。

b型肝炎に感染するとどんな症状があるのか?

B型肝炎ウイルスであるHBVに感染した場合には、初期の症状として全身の倦怠感をはじめ、食欲不振や嘔吐、悪心などの症状が現われ、さらに白眼部分や皮膚が黄色くなる黄疸の症状が現われることもあります。急性b型肝炎の場合には、肝臓が肥大化するなどの他覚症状が現われることもある一方で、全く症状がないまま知らぬうちに治っている場合もあります。

持続感染しているHBVキャリアの場合には、自覚症状が現われないことも多く、その際には慢性肝炎が潜んでいることもあるので、専門医による検査や状況により治療を受けることも重要です。

⇒b型肝炎のウイルスキャリアの経過

b型肝炎に感染しているかどうかはどうやって知ることができるのか?

b型肝炎ウィルスに感染しているかどうかは、血液検査によって調べることができるので、定期的な血液検査を受けるのが適切といえます。血液検査ではHBs抗原を検査し、HBs抗原が検出された場合には、肝臓内でHBVが増殖して血液の中にはHBVウィルスが存在するということになります。

Hbs抗原が検出された人には、初めてHBVに感染した人と持続感染しているHBVキャリアと呼ばれている人がいます。

b型肝炎の治療方法

現在の国内の治療では、HBVを完全になくしてb型肝炎を完治させることはできないため、治療目標はHBVウイルスを現状以上に増やさない状態にし、肝炎をなくすことが大切です。HBVキャリアの場合には、一過性の肝炎を発症しその後にウィルス量が減少して、自然経過で非活動性キャリアとなることが多く、このような場合は治療の必要がありませんが、肝炎を発症してからもHBVウィルス量が減少せずに、慢性肝炎となった場合にはそれ相応の治療が必要となります。

b型肝炎の治療法には、インターフェロンや核酸アナログ製剤を用いる抗ウィルス療法と肝庇護療法の2つの方法があります。

抗ウィルス療法とは一体どんなもの?

抗ウィルス療法のひとつであるインターフェロンは、b型肝炎ウィルスであるHBVウィルスの増殖を抑える作用はさほど強くありませんが、免疫を強める作用があるため、免疫を介してウィルスの増殖を抑えるという有効例があります。

このため、効果が現われだすと長続きするというメリットがあります。その一方で、注射による治療の場合には強い副作用があるのがデメリットといえます。もうひとつの抗ウィルス療法の核酸アナログ製剤は、ラミブジン・アデフォビル・エンテカビル・テノフォビルの4種類が現在使われていて、ウィルスの成熟を抑えて肝炎をなくす効果に期待ができるものです。

経口薬のため、服用しやすく副作用も少ないので使いやすい薬物治療といえます。とはいえ、HBVの成熟を抑える作用はありますがウィルスの増殖を止めることは出来ないため、HBVウィルスを完全に体内からなくすことはできないことと、治療を中止した際には、肝炎が再燃し重篤化する可能性もあることを知っておきましょう。

いずれの薬物治療にもメリットやデメリットがあるので、年齢や性別、肝炎の重症度などを医師とともに判断して治療法を決めることが大切です。

b型肝炎感染の予防に有効的なワクチン接種

b型肝炎のHBVウィルスに感染しないために、ほかの国では30年ほど前からワクチン接種が実施されていましたが、2016年10月からはB型肝炎ウイルスに対するユニバーサルワクチンが日本でも開始されています。

ユニバーサルワクチンは従来からある、はしかやおたふくかぜのワクチンと同様に、出生した全ての子どもを対象にHBワクチンの予防接種を行なうことになっています。

とはいえ、2016年10月にワクチンが開始される前までの人にはHBV感染に対する免疫がないため、HBVに感染している重篤患者と同居している場合や介護などの仕事を行なう場合など、他人の血液や体液に触れる機会が多い場合にはHBワクチンを接種しておくことが肝心です。

また、途上国などリスクの高い地域に渡航する場合にも、現地での事故やケガによって輸血や手術を受ける事態に遭遇する可能性を心配する場合にも、ワクチンの接種は必要といえるでしょう。

⇒4種混合との同時接種が重要!b型肝炎対策と押さえておきたい基礎知識